保安管理業務外部委託承認制度とは

電気事業法と保安管理業務外部委託承認制度について

※下方に経済産業省の関係資料リンクがあります。(ダウンロード式)


「電気事業法」という名称はあまり一般的ではありませんでしたが、東日本大震災に伴う原発事故などの報道ではよく耳にされた方も多いと思います。

私たちの業務は、この「電気事業法」に基づいて実施されるものです。


「電気事業法」とは国の法律のひとつであり、目的を次のように定めています。

第一条  この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。

お客さまからも「なぜ契約が必要なのか」というご質問を受けることがございますが、ここでは順を追ってご説明していきたいと思います。


電気工作物とは

「電気事業法」では、次のように定義しています。(抜粋)

 

1.一般用電気工作物(低圧需要設備、小出力発電設備)

2.事業用電気工作物(これは下記の2つに分けられます)

  ①電気事業の用に供する電気工作物(他人に電気を供給するための設備)

  ②自家用電気工作物(高圧で受電する設備等、小出力を除く発電所)

 

私たちが保安管理業務でご契約をいただいているお客さまはほとんどが7,000V以下で受電している設備であり、上記では「②自家用電気工作物」に該当します。

 

電気主任技術者選任が必要である根拠

事業用電気工作物の設置者がしなければならないこと

「電気事業法第43条」(主任技術者)

第四十三条  事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
 自家用電気工作物を設置する者は、前項の規定にかかわらず、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。

このように、設置者(企業でいえば代表者)に当たる方は電気主任技術者を選任しなければならないのです。


電気主任技術者としての資格と経験

自家用電気工作物の保安管理業務を行わせるため、次のいづれかの免状の交付を受け、かつ、それぞれの実務に従事した期間を満たしている者を置かなければなりません。

単に資格を持っているだけでなく、実務経歴がないと従事できないのが特徴です。

(期間については別に告示された要件に基づく)

 

「電気事業法第44条」(主任技術者)

1.第一種電気主任技術者  3年 ※(又は2年)

2.第二種電気主任技術者  4年 ※(又は3年)

3.第三種電気主任技術者  5年 ※(又は4年)(又は3年)

 

※「経済産業省告示第125号」
下記1~3全ての設備条件に適合する需要設備のみを受託する場合、実務に従事した期間を1年減ずる事ができる。

 ①設備容量が300kVA以下のもの

 ②受電設備がキュービクル式であるもの

 ③主遮断装置がPF・S形のもの

 

更に「経済産業省告知第249号」の一部改正により

 第2種電気主任技術者免状及び第3種電気主任技術者免状を有する場合、保安管理業務講習を受講することで4年 

 又は5年から一律3年に減じることが可能となりました。

保安管理業務の委託先について

電気主任技術者の業務を行っている事業者

自社に電気主任技術者がいない場合は、その業務を外部へ委託する必要があります。外部の委託先には次の選択があり、直接契約を締結します。

 

「電気事業法施行規則第52条第二項」(抜粋)

1.個人事業者

2.保安法人

 

個人事業者、保安法人とも、それぞれに求められる要件を満たしたものでなければなりません。既に業務を行っている個人、法人は、要件を満たしていることを保安監督部に認められています。

こういった委託契約による保安管理を「保安管理業務外部委託承認制度」と言います。

 

私たち電気管理技術者は「1.個人事業者」に当たります。

それぞれが独立した事業主ですが、「一般社団法人東北電気管理技術者協会」の会員となり、居住地の支部、地区へ所属することで複数名での作業や緊急時の応援などができるよう、組織体制を整えています。

 

電気管理技術者への委託

電気管理技術者とご契約をいただく場合、お客さまが確認しなければならないことがあります。

 

 面接等により、委託契約を締結する者が保安管理業務を行う本人であることを確認する。

 (名義貸し等の防止)


また、電気管理技術者は下記の条件により、契約できない場合があります。

 

 1.受託事業場の設備容量から算出される換算係数の合計が33以上になるとき。

 2.居住地から事業場までの到達時間が2時間を超えるとき。


契約を締結するにあたっては、次の2種類の書類への双方の捺印が必要になります。


 1.「自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書」

 2.「自家用電気工作物の保安管理業務委託契約細目書」


 このうち、細目書には業務の内容や相互の義務、協議などの重要事項が記載されておりますので、必ず確認してください。

 

委託契約を締結したら

主務官庁に対する申請、届出を行います。

届出先は、経済産業省の地方支分部局である「関東東北産業保安監督部東北支部」です。

 

1.保安管理業務外部委託承認申請(委託契約書の写し添付)

2.保安規程届出(保安規程一式)

 

これらは設置者名での提出となり、印鑑は登記されているものを使用します。

設置者とは企業や組織の代表者であり、会社では代表取締役、代表取締役社長等、官公庁施設では県知事、市長、町長等の名義となります。但し、代表者からの委任を受けた場合は、委任状を添付して申請することができます。

なお、個人名義の事業場の場合は個人名での申請になります。

 

申請手続きの時期

新規で初めて電気を送電させる場合、これを「受電開始」と言いますが、保安管理業務外部委託については、受電する日までに承認を受けていなければなりません。

保安管理業務外部委託承認申請、保安規程届出の書類は、保安監督部で受け取ってから承認されるまで2週間ほどの余裕が必要ですので、遅れることのないよう手続きをしなければなりません。


申請手続きが完了したら

申請後、正式に承認されれば、保安監督部から承認通知のはがきが届きます。たった一通のはがきですが、永久保存の公文書であり、紛失後も再発行はされませんので大切に保管してください。